ベートーベンと「恋の片道切符」
久し振りで花遊小路から新京極へ抜けて出た。
もっとも最近ではこういういい方をしても、どんな通りか知らない人が多くなった。
京都に住んでいる人で、ご本人は何度かその道を通っていながらその小路の名前を知らない入が多い。
念のため申し添えておけば、四条の新京極入口から東へ一筋目、うっかりすると見過ごしてしまうような細い露地が逆のL字型に京極まで抜けています。
その中の、とあるレコード店の前を通り過ぎようとすると、珍しいことに、ロックンロールのリズムで、二ールセダカの「恋の片道切符」か流れてきました。
この曲は、ベートーベンの作品百三十四番、第三楽章スケルツオのテーマなのだ。
ところで「恋の片道切符」の曲とは知っていても、ベートーベンの作品と知っている人は少ない。
また同じものでありながら、ベートーベン通の入が「恋の片道切符」になるとわからないという人も多い。
こういったことはよくあることで、「大いなる西部」という映画音楽は、同じくベートーベンのある交響曲がそのまま使ってある。
また、「短くも美しく燃え」の映画音楽は、モーツァルトの作品二十一、ハ長調というわけです。
どうにか知っているという人が多いのは「愛情物語」のツー・ラブ・アゲインが、ショパンのノクターンであるということぐらいのところである、といってもいい過ぎではないようだ。